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台風被害(風災)の鑑定方法

台風被害の鑑定方法の基本は火災保険などの査定方法と同じです。ただし、契約によっては、20万円以上の損害が生じていなければ、保険金支払いの対象とならない場合があります。しかし、最近の新型火災保険では1万円〜数万円の免責金額があるだけでこの「20万円以上の損害」という条件がないものも多くなってきています。


風災とは?
損害保険では約款上、台風、強風、旋風、暴風、暴風雨等の被害を風災と呼びます。それらの形態としては次のような状態があります。

1、風による直接被害
 風の力により目的物件が直接被害を受けた状態。たとえば強風により瓦などの屋根材が吹き飛んだ状態などです。

2、風により吹き飛ばされてきた物体の衝突による被害
 風により他から飛ばされてきた物体が目的物件に衝突し、被害が生じたもの。たとえば近隣の家の屋根材等が破損し、それが自宅に衝突し、損害を受けた状態です。
 なお、この場合の風による被害は「異常気象下における損害」が対象になります。「異常気象」とは近隣の被害状況、その過去および最近の気象状況を調査し、その原因となった気象が異常気象か否かを個別に判断するものとされています。したがって風による被害は必ずしも「台風○号」と名のついている必要はなく、局地的におきた竜巻や突風による被害も保険金支払いの対象となります。

キーワードは20万円以上の損害!20万円フランチャイズとは?
火災保険において、台風や強風、突風、竜巻(付け加えるならばひょう害や雪害も)などで保険金が支払われるのは損害額が20万円以上となった場合です。これを損保業界では20万円フランチャイズとよんでいます。(ただし、保険の種類によってはこれらの条件がない保険商品もあります。その場合は1万円〜数万円の免責額があるだけです。)

20万円以上の損害かどうかは基本的に修理見積書をみて、20万円以上の金額であるかは一応は判断できますが、この場合、正確に言うのであれば修理や復旧のためのはつりや解体費、片付け費用は損害額には含みません。たとえば。屋根のちょっとした損害を修理する工事に「瓦を全部剥がさないと、、、」などの状態では保険金は支払われないことになります。いうまでもないことですが、修理見積書の金額が20万円以上の損害となっていても、異常に高いと判断されれば保険金支払いの対象になりません。

また、その「20万円以上の損害」の認定は減価償却後の金額ということです。時価保険では、損害額も時価ベースで査定(火災保険の鑑定方法を参照)されますから、「20万円以上の損害」の認定も時価でなされます。したがってもし見積書の金額が20万円ピタリだとしたら原則的保険金の支払いの対象にはならないことになります。なぜなら、その金額から経過年数に応じて経年減価されるからです。しかも、その見積書には解体費などが含まれていると思われ、それらの額も「20万円以上の損害」には含まれません。(ただし損害率が僅かな場合で小額損害の場合、経年減価は省略されることがあります)

 この「20万円以上の損害」は同一構内にある目的物件ごとに認定されます。たとえば建物と家財に保険がついていた場合、建物の損害が10万円ほどの損害のみだとしたら保険金の支払いの対象とはなりませんが、家財の損害が10万円以上の損害が生じていたとしたら、20万円以上の損害となるため保険金支払いの対象となります。また、同一構内にある目的物件は各々別の保険会社で保険がついていても20万円以上の損害が生じていれば保険金支払いの対象となります。

風による建物内部への風の吹き込み損害は損害となるか?

風による被害で、l建物内部へ侵入した雨による損害は「風災」による損害とされるのか?という問題ですが、風により屋根材などが吹き飛ばされて建物の内部造作(天井、壁等の濡れ損など)は保険金支払いの対象となりますが、窓を閉め忘れたところから雨が吹き込んだ損害は保険金の対象とはなりません。ただし、窓ガラスが強風により破損し、そこから吹き込んだ損害は対象となります。

素人の鑑定人・調査員が間違える対象物件・対象外物件
「台風の被害はあったが、はたしてこれは保険の目的なのか?」と疑問に思うものもあると思います。それが以下の構築物です。これは素人の鑑定人や調査員もよく間違えている例があるので注意しましょう。少しでも疑問に感じたら異議を唱えるべきです。

門、へい、かき、物置、造作など
住宅火災や住宅総合は基本的に含まれます。これらの保険では特約で除外しないかぎりは対象となります。反対に普通火災、店舗総合、長期総合、団地保険などは特約でこれらの物件を含むという契約をしておかなければ対象となりません。保険契約を確認しておきましょう

エアコン、建具、畳、造作など
エアコンは建物に含まれるのか?家財に含まれるのか?よく聞かれますが、建具、畳、造作などのように基本的に建物に含まれます。ただし、窓用エアコンや賃貸住宅に住んでいる賃借人の所有するエアコンなのの設備は家財となります。

看板、日除けテント
ビルの屋上看板やビルの外壁に取り付けられた看板のように建物に固定された看板、日除けテントは原則的に建物に含まれます。ただし、テナントビルなどの賃借人が所有する場合は賃借人の什器・備品という取扱になります。店舗の入口の前においておくような移動式看板は建物内部に収容していた場合に限り、什器・備品としてあつかいます。なお、建物の外に置いておいて損害が生じたものは什器・備品でも建物に含まれませんのでご注意ください。損害が生じる可能性が高くなるからです。

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